ロミオとジュリエット

 

ロミオ&ジュリエット

初日の幕が上がりました。

 

とても思い入れのある作品に、とても思い入れのある方が出演するということで、初日のチケットがとれました。運命〜〜!

 

ロミオとジュリエット、というと、名前くらいは知ってる、でも内容はよく知らない。…という状態で(ちゃんと戯曲と映画で予習した)初めて観に行ったのが2014年8月、蜷川幸雄演出 オールメールロミオとジュリエットだった。

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次に観たのは、友人に誘われた2017年1月、小池修一郎による新演出版。

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そして今回、2019年2月。ロミオとジュリエット再演である。

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戯曲を読み込み、オリヴィアハッセー主演の映画も観た。というわけで、とにかく、ロミオとジュリエットという作品の虜になっていたのだ。

 

心中こそ愛の極致。

愛の為に死を求める者の美しさ。

 

紗幕にlove or dieって映し出されているのだけど、小池先生は何を思ってそれをつけたのか教えてください。love or dieをシンプルに訳すと「愛か死か」ってところかなと思うんですが、ロミオとジュリエットにとっては愛は死、つまりlove = die なのでは?解釈違いか?

演出家との解釈違いが僕は怖い…

 

 

主人公ロミオは、冒頭で「僕は怖い」と歌う。死ぬのが怖い。愚かな争いの先に待ち受けるのは幸せな未来ではない。

そして、モンタギュー家の、幼馴染3人組が愛おしくてたまらない。マーキューシオはだいぶイかれたキャラクターとして演じられていた。もっとまともではなかった?あんなに情緒不安定だったか?サイコパスというか、狂気的というか。たびたびナイフをチラつかせ、ベンヴォーリオに止められる。かと思ったら普通の若者かのように話し出す。(これが本人の意図による二面性なのか、人物の一貫性のなさなのかは分からない)

ベンヴォーリオはこの3人の中では最も「おとな」な振る舞いが見られた。長く一緒にいるなかで確立された彼のポジションといった感じ。が、女の子に言い寄られてムヒムヒしている姿は可愛い。あとさすが新演出版というだけあってだいぶ現代的なんだけど(別に褒めてない)、彼はフリック入力ではなく、トグル入力だった。ぽちぽちしてる!ガラケーかよ!え?可愛い〜〜!!!!

今まで見たどの3人組よりも、結びつき、というか、一緒に育ってきた幼馴染の独特の雰囲気を感じた。小池先生の意図する「普遍性」が現れていた、と言えば聞こえが良いのかな。なんとなくどこにでもいるような感じ。それが良い意味で私は好きだったんだけど、これが贔屓目というものなのか……

 

一番好きな作品に、一番好きな彼が出る。それだけでしあわせだなあと思いながら見ていたけど、「世界の王」を歌われたらもうダメだった。

そう!彼らが世界の中心で、彼らが王!説得力。だって世界一かっこいいもん。いくらくだらなく見えても、必死で生きてて、若さゆえに自分たちが世界の王だなんて言っちゃう。世界を知らないから。彼らはきっとヴェローナしか知らない、ヴェローナこそが世界。青春だね。彼らのいたずらっぽい年相応な表情が、これから起こる悲劇をよりドラマティックに演出するのだ。

そして、ロミオは運命の女の子、ジュリエットに出会う。そして、彼女の為なら死んでもいい、なんて言い出す。僕は怖い、からの急な掌返し。

天使のような顔をして俺たちを裏切るのかと嘆く、ベンヴォーリオの悲しい顔が印象的だった。

 

の、前のシーンの、バルコニー。からの結婚式。今年の夏にウエストサイドストーリーを見たもんだからマリアとトニーを思い出してしまった。

ジュリエットが乳母から薔薇を受け取って言う、「愛の花だわ!」で号泣。エメで一生泣いてた。エメがいちばん好きなナンバーです。乳母が二人だけの結婚式を眺めて目元の涙をぬぐっているのを見てまた泣いた。そんなもん泣く。

 

そしてまあなんやかんやあって、再びモンタギューとキャピュレットは対立する。

そしてなんかこの時の後ろの映像〜〜!

キャピュレットが現れるとカッケービルディングが立ち並ぶ。それで争いが始まるとビルのひとつがぶっ飛ぶ。ウケる。

それで、マーキューシオは怒り狂ったティボルトに刺される。息も絶え絶えなマーキューシオはベンヴォーリオの胸に背を預け、ベンヴォーリオは彼を抱きかかえ、泣きながら手を握る。そしてマーキューシオはベンヴォーリオに抱かれたまま死を迎える。

その光景が、もうとってもグッときてしまった。というのもあの悪ガキ2人だからだ。マーキューシオとベンヴォーリオではなく、彼らを演じる役者を想ってエモーショナルな気持ちになってしまったのだ。悪い癖だ。

僕を置いていかないでくれ。

切ない!!!!!!!!

そして、愛する友を失ったロミオは逆上し、ティボルトを刺してしまう。怒りと悲しみに震えるベンヴォーリオだったが、我に帰り憔悴していたロミオを支える。

その姿の、綺麗なこと。

ここね、本当に綺麗だったの。二人は座ったままで。ベンヴォーリオが後ろからロミオを抱いて、ロミオは抱かれた腕に自分の手を重ね、その手をまたベンヴォーリオが握る。ちょっと上手に説明できない。

ただの親しい友ではない。幼い頃から同じように育ち、見守ってきた関係性が見てとれるのだ。ベンヴォーリオは甘やかされて育ったロミオをきっと弟のように守ってきたんだろうな。

ベンヴォーリオの快活な姿、怒りに燃える顔や、相手を嘲る顔、悲しみに歪む顔、歌声、全てが刺さってしょうがなかった。だってこんなに感情の振れ幅が大きい役見たことなかった。長く見てきたぶん、こんなに頑張ってるんだな…と思って泣いちゃった。好きじゃん…

今回ダブルキャストなので(もしかして初めて?)他人と比べられてしまうかもしれない。でもそれがダブルキャストの良さでもある。眼の肥えたミュージカルファンには彼の姿はどう映るのだろうか。

 

褒めすぎかな?でも途中、ロミオにもティボルトにもなれないかもしれない、今までなら主演を張れていたけど、このまま0番に立つことは難しいのかも、なんて思いながら観てしまった。だけど、彼の不完全さも含めて全肯定しているオタクなので許してください。批判や説教がしたいわけではない。悲観でも否定でもなく、現状だけを受け入れていくしかない。

もう降りたし…とおもって一枚しかチケット持ってなかったのめちゃくちゃ後悔〜〜!最初のシーンからもう一番かっこよかった。いろんなパターンで見たい。

オタク!みんな見て!!わたしの友達みんなに見せたい。彼を見てほしい!って気持ちになれて、とっても幸せだなあ〜〜。彼に費やした全ては間違いなかったって、再確認できて、とっても嬉しかった。

今後も彼の舞台に立つ姿を見て、毎度のことながら、新鮮に感動するんだと思う。

 

 

バンザーイ!!!君に会えてよかった!!!!